アトピー治療は「運動」が必要不可欠であることは、運動をしなければいけない理由と注意点で説明しました。
しかし、運動といってもアトピー患者にとってするべき運動と、そうではない運動の2種類に分かれます。
当ページでは、習慣として取り入れるべき運動の紹介を詳しく説明しています。
無酸素運動と有酸素運動の違い
運動は主に「無酸素運動」と「有酸素運動」に分けられます。
どちらの運動も一定量以上の酸素を使い、体内の脂肪や糖質などがエネルギー源として使われています。
簡単に説明すると、時間と運動強度の違いです。運動の時間と強度によってエネルギーの供給の仕方も変わってきます。
無酸素運動とは?
無酸素運動とは、強度が高く短時間で行う運動のこと。全力もしくはそれに近い筋力を短時間で発揮しやすいのが特徴です。
酸素を取り入れない(呼吸をしない)でする運動という意味ではなく、激しい運動では呼吸による酸素摂取量が少なくなるため、結果として酸素を必要としないでできる運動のことです。
例:短距離走、筋力トレーニング、重量挙げ、スクワット・・・など
有酸素運動とは?
有酸素運動とは、負荷が軽く長時間で行う運動のこと。余力を持つくらいの筋力を長時間で発揮しやすいのが特徴です。
激しく呼吸が乱れるような運動ではなく、十分な酸素を使ってエネルギーである脂肪を燃焼することができる運動のことです。
例:長距離走、ウォーキング、水泳、エアロバイク・・・など
「運動不足を解消する」必要最低限の運動で十分
運動には「無酸素運動」と「有酸素運動」の2つの運動方法があることを紹介しましたが、アトピーを完治させたいのであれば「有酸素運動」を毎日の習慣に取り組むことをおすすめします。
そもそも、アトピーで苦しんでいる人の多くがストレスが溜まりがち。ストレスが溜まっている状態だと人は交感神経が優位になっているため、酸素を十分に取りこめない無酸素運動はおすすめできないのです。酸素を十分に取りこめない激しい運動をすれば、体にはストレスになっているので、交感神経が刺激されてしまいます。
逆に、体が気持ちよくなるくらいの負荷がかかる有酸素運動は、酸素を十分に取り込めるため、副交感神経を刺激することができます。
勝敗を競うスポーツは、興奮して交感神経を刺激しがちです。ですから、あまり他人と競ったりせず、個人で楽しめるような運動だと、副交感神経を刺激し、リラックスすることができるでしょう。
運動と言っても、「運動不足を解消する」ぐらい必要最低限の運動で十分なのです。
有酸素運動のメリット
有酸素運動のメリットを詳しく紹介しましょう。有酸素運動がなぜアトピー治療に役立つのか分かります。
汗をかく体質にすることができる
人間の体は、暑いときは汗をかいて体温を下げる体温調節機能が備わっています。ところが、アトピー患者は、低体温で汗をかきにくい体質の人がほとんどです。ステロイドの長期使用、運動不足、偏った食事、昼夜逆転など理由は様々。
汗は、体温調節機能の他にも、保湿作用や生体防御機能の役割もあるのです。健康な皮膚を生むためには、汗をかくことが非常に大事。
つまりアトピー完治には、「汗をかける体質」に戻すことが重要なのでです。有酸素運動は徐々に心拍数を上げ、じわじわと汗をかくことができるので、汗をかきにくい人でも汗をかきやすい体質に変えることができるのでおすすめです。
免疫力を高めることができる
僕たち人間は、体を動かすことで健康を維持できるようにできています。僕たちの体は筋肉を使わないと発熱が起こりません。発熱が起こることで、ほどよい代謝が行われるのです。「運動」は、発熱と代謝を促すので、免疫力を高めることになるのです。
有酸素運動は、適度に筋肉を動かすことができ、酸素を十分に取りこむことができる運動なので、副交感神経を刺激し免疫力を高めることができる効率の良い運動なのです。
柔らかい筋肉をつけることができる
筋肉の柔らかさと皮膚の状態は比例します。筋肉は呼吸を止めて運動していると硬い筋肉がつきやすくなるので、呼吸が乱れにくい有酸素運動は柔らかい筋肉をつけるのにもってこい。
長くアトピー性皮膚炎で苦しんだ人が、筋肉を柔らかくしたところ、加速度的に完治へ向かったこと例もあるようです。
まとめ
アトピーを完治させるために運動は必要不可欠。その運動の中でも、有酸素運動がおすすめです。
ゆったりとした気分で、腹式呼吸をし、自分の体と対話するような気持ちで、少しずつ体を動かしてみて下さい。すると副交感神経が優位になり、体はリラックスします。
また、女性の場合、痩せすぎて脂肪の量が減りすぎると、体温を保つ機能が落ちて低体温になり、これまたアトピー悪化に繋がります。
運動不足を解消するぐらい、ほどほどが一番です。